2013年の参議院選挙の直前に、安倍元総理と旧統一教会の幹部らが面談していたことが報じられました。しかし、自民党総裁選の候補者は全員が教団との関係について再調査することを否定しています。選挙直前に行われたとされる、この面談。背景を検証しました。
再起をかける両者の利害が一致した時期に…総裁室で教会幹部と面会か
再調査に前向きな候補は一人もいなかった。
小川彩佳キャスター(17日放送「news23」より)
「教団との関係について、何らかの再調査を行うという方は挙手をお願いします」

自民党総裁選の9候補
「・・・・・・・・・」
この日、朝日新聞の朝刊が安倍元総理が教団の幹部と面会する写真を一面トップで報じた。
旧統一教会 元渉外担当の信者
「やっぱり出たかという感じ。教団がどこに行っても記念撮影して宣伝に使うっていうのは、もう昔からやってることなので」
こう話すのは、教団の渉外担当だった信者だ。

報じられた写真は、2013年6月30日に自民党本部の総裁応接室で撮影されたものだという。
当時、総理だった安倍氏の両隣には旧統一教会と関連団体のトップ・世界平和統一家庭連合の徳野会長と全国祝福家庭総連合会の宋龍天総会長、そして教団の政治団体・国際勝共連合の太田洪量会長と幹部2人。衆議院議員の岸信夫氏と、萩生田光一氏も写る。
2013年6月30日は日曜日。首相動静では、午前中に自民党本部で中小事業者とのイベントに出席したのち、午後1時9分から45分の間に、萩生田議員と岸議員と会ったことになっている。
日下部正樹キャスター
「宋総会長は日本語がペラペラ?」

元渉外担当の信者
「日本語は全然です。太田さんは韓国語ができるので、(写真の座り位置は)通訳している可能性がありますね。このリボンが不可解ですね」
注目したのは、総会長たちが胸につけていた白いリボン。記念撮影時には外されている。

調べてみると、教団はこの日の午後2時に都内でイベントを開いていた。出席していた宋総会長の胸に、白い何かがついているようにうかがえる。元渉外担当は…

元渉外担当の信者
「推測では、すでに教団イベントの準備をしていて(議員側から)『急遽時間が出来たから来て』って言われて飛んで来た。付けたまま。記念写真のときは違和感があったのか取りましょうとなって取って写っている。もしそうだとしたら、安倍さん側が逆に『来て』って言ったのか?指示したのか?」
面会の4日後には、参院選の公示が控えていた。2009年に下野した自民党にとって、参議院でも過半数を取り戻すための重要な選挙だった。
一方、旧統一教会側も違法な霊感商法による逮捕者が出た2009年以降、宗教団体としての再建を進めていた時期だ。
しかし2012年、教祖である文鮮明氏が死亡し、教団内部は分裂の危機に。
そうした中で2013年、教義を国民の宗教にするとした教団の方針、「ビジョン2020」を打ち出した。
再起をかける両者の利害が一致した時期だったという。

元渉外担当の信者
「実際、あの頃(教団の)大会に呼べば、自民党の人が祝電を打ってくれたり、実際に来て挨拶してくれたり、そういうのが続いていた。次の選挙では絶対勝たせようと、自民党を全面的に応援すると。その代わり教会も守ってほしいという考えがあった」
日下部キャスター
「一種、そのときの自民党と教団の蜜月みたいなものを象徴する写真?」

元渉外担当の信者
「そういうことになりますね。一番端的に、この1枚でわかる」