<愛の掛け違い>に必要になること

――現代は、様々な局面で<愛の掛け違い>が生まれやすいのではないかと思います。掛け違いを起こさないためにはどんな意識が大切だと思われますか?
様々なコミュニケーションツールがあるなかで、いかにストレートに、相手に感情を表現できるかというところが大切なのかなと思います。洸人は最初はすごく受け身で自分の色が出てこないのですが、ライオンたちに巻き込まれることによって、ちゃんとものを言えるように変わり、成長していく。言葉がスムーズに出ない美路人が、言いたいことを頑張って言おうとしている姿も描いていきますし、今の時代ならではの<ちゃんと伝え合った方がいい>という意識は自分のなかでは思っています。
――松本さん流の<愛の掛け直し術>を教えてください。
何事も、掛け違う前にうまく立ち回ろうと考えるほうではあります。自分がストレートに意見する代わりに、言っているだけの人ではないようにしようと思います。
――松本さんはこれまで「変わらない現状に不安を覚えた」というお話をされていましたが、そこも落とし込まれているのでしょうか?
わりと洸人に重ねている部分はあります。洸人は30代で、美路人との落ち着いた環境を守ることができればいい、それ以上は求めないと考えてはいても、美路人の今後や自分自身の未来も考えないといけない状況が目の前にあると思うんです。そこは、30代になって仕事も落ち着いてきて、自分のなかである程度のポジションも見つけて腰を据えて…という年頃の人と同じなのかなと。そうなると新しいことに挑戦したいと思っても、現状から抜け出そうとすると一気にハードルが上がるんですよね。ポジティブに自分の意志で変えようと思ってうまくいかなくても、周りに巻き込まれたなかで気づくことができる成長を描ければいいなと思っています。














