天野さんの発見した「新しい高気圧」とは
天野未空さん:
「こういう位置に新しい高気圧がありそうだぞ、というのが私が見つけたことで、かつ新しい説として提唱していることです」
天野さんが見つけた新しい高気圧は、近年の夏、太平洋高気圧よりも少し北の海上に頻繁に現れていて、さらに北のオホーツク海高気圧から吹く冷たい北東の風をブロックするような形になります。このため冷夏ではなく猛暑をもたらすことになります。

さらにこの高気圧の特徴は、上空では日本よりも北のカムチャツカ半島付近にあり、軸が南北に傾いていることです。
天野未空さん:
「上層と下層で高気圧の中心位置がずれているので、南北傾斜高気圧と名づけました」

天野さんの分析では、地球温暖化によりユーラシア大陸の北東部が特に高温になっているため、冷たいオホーツク海付近との温度差がより大きくなったことで、この南北傾斜高気圧が発生しやすくなったというのです。

天野未空さん:
「昔は全然なかったのに対して、2000年代頃からぽつぽつ、2010年以降はほぼ毎年のようにこの南北傾斜高気圧が発生しているということが分かります」