深い緑色の機体。
目を凝らすと、腐食したかのように、ところどころ穴が開いている。
後方に向けてねじ曲がったプロペラは、茶色くさび付いている。

戦争末期、旧日本軍により開発された戦闘機「紫電改」だ。

「具体的には腐食、破損、劣化がかなり進んでいる」
「ですので機体を、何らかの形で乗せて、持ち上げて、それで新しい展示館に運ぶんですが、今この状態ですと、設置した状態で外形を保つのに必要な、だいたいの補修は終わっているんですけど、これを持ち上げて移動させるのに十分かというところは、確認してみなければ分からないので、今回の調査で、外板を外させてもらって、中の状態を確認させてもらっている」
◇◇国内で唯一現存する紫電改の実機
小山の上に建てられた愛媛県愛南町の「紫電改展示館」。
国内で唯一現存する実機を展示する施設だ。
紫電改は、展示館からのぞむことのできる穏やかな久良湾の海底から、1978年に引き上げられた。
展示施設は老朽化にともない、2026年度中をめどに建て替えられることが決まっている。
それを前に、機体が、移設に耐えられる状態かどうかの調査が行われた。
