P波とS波の差
――まず、緊急地震速報とは、どういうものなのでしょうか?
(福本晋悟記者)地震波というのはいくつか種類があります。その中のP波とS波という波の性質の違いを活用して緊急地震速報というものを運用しています。P波(プライマリーの頭文字:最初の波)は、速度は速いんですが、揺れは弱いもので、秒速約7キロで進みます。
対して、速度は遅く、秒速4kmで進み、人間がよく感じる大きな揺れをもたらすのがS波(セカンダリーの頭文字:第二の波)です。秒速7キロと4キロの差を利用して地震が発生した震源の場所から地震計のある場所まで、まずP波が届いた段階で「これは地震が大きくなるぞ」と判定した場合、S波が届くまでに出す情報。それが緊急地震速報となります。