1週間で登録者が10万人を超えたタイッツーって?

たくさんの選択肢がある中、2023年7月、個人の開発者・ほくさんが1日で作り、最初は短文の投稿とフォローしかできない状態で公開された少し変わったSNS「タイッツー」が静かに注目を集めている。

ほくさんは今までに100個以上のサイトやアプリを作ってきた実績があるが、以前から「みんなが楽しめるSNSを作りたい」という思いを持っていたという。

ある日、Xの前身のSNS「Twitter」で開発に必要な機能が使えなくなったことをきっかけに「タイッツー」の開発に思い至ったそうだ。

Twitterの不具合が起きた時に、避難先として話題になり、公開から1週間で登録者が10万人を突破。さらに、TwitterがXに変わった頃からトレンドワード入りすることも増え、公開から8か月経った今では登録者が30万人を超えた。

攻撃を防御する機能を重視 タイッツー開発者の思い

タイッツーの開発においては、アカウント同士をつなげる機能よりも、▼ミュート(見たくない投稿を見なくてすむ)▼ブロック▼アカウントに鍵をかけられる…といった外部からの攻撃を防御する機能が優先された

ほくさんに取材すると、「今まで追加してきた機能は『防御力の方が高い』仕様にしてきました。例えば、『リプライ(返信)出来る範囲を限定する』や『フォローしていない人からのメンションは通知に出ない』などです」と答えてくれた。

なぜ防御する機能を優先したのか。込めた思いを聞くと、「使っていてなるべく不快にならず、なんか楽しくて、なんかほっこりする」SNSを目指しているからだという。

細かい設定ができるタイッツーの投稿画面

他にも、自分のアカウントの画面上から▼フォロー数▼フォロワー数▼通知件数のバッジなどの表示を消す機能もあり、見たくないものを見ないよう設定できる。

ほくさんは「『人間の理想ってこうだけど、現実はこういうものだよね』といった観点から仕様を検討しています」とする。

例えば、人間が持つ根本的な特性として「カッとなると普段やらないような行動をとってしまうことがある」とほくさん。そうだとすれば「カッとなったときに行動を起こしづらい仕様になっていると良いのでは」と考え、リプライをする時にはアラートを出すなどワンクッション置く仕様にしているそうだ。

タイッツーのリプライ設定画面