福島の17歳少年「能登に寄り添って」

この日の活動は、被災した家の片付け。

平澤太一さん(17)
「初めて2階を見た時は本当びっくりして、こんな感じなんだと。どこから手をつければいいのかなみたいな、そういう状況でした」

震度6強の揺れと、津波にも襲われた珠洲市。9割以上の住宅が被害を受けました。

こちらの家は、倒壊は免れましたが…

家主
「あの強い音も、2階のタンスの倒れる音やったんかなと思って。(夫と)2人で1回してみようかねと言って、タンスを持ち上げたんですけど、とっても重たくてできなくて」

そのタンスも運び出すことができました。

平澤太一さん(17)
「これ大切ですか?」

スタッフ
「着物系な気がするね」

大切に残しておきたいものと、いらないもの。丁寧に選別していきます。

家主
「これも全部、中身いるんです」

スタッフ
「反物かな?」

家主
「生まれ変わったら編み物の先生になりたい」

作業開始から約2時間、片付けが終わりました。

家主
「本当に、思った以上に片づけていただいて、本当に感謝しております」

すると、太一さんから…

平澤太一さん(17)
「ボランティアの態勢がもっと整ってきたら、どんなことが必要になると思いますか?」

家主
「やはり、まずお家の片付けだと思うんです。これだけでも、ものすごく気持ちがね、この辺に重たいものがありましたので、片づけていただいたらとてもすっきりしましたし、前へ進む力が全然違ってくる」

平澤太一さん(17)
「ちょっとでも助けになれたらいいという気持ちで来たので、本当に手伝わせてくれてありがとうございます」

被災地に足を運んだからこそ感じたこと。太一さんは今回の活動を記録していました。

<太一さんの活動記録より>
珠洲市に着いてみると手つかずのところも多く、テレビや新聞では伝わらない部分がたくさんあると思いました。とても急な階段を上って、2階部分の片づけをしました。思い出の品を本当に片づけてしまっていいのかと、複雑な気持ちになりました。「自分達はそれほどでもなかった。もっともっと大変な人達がいる。先にお手伝いに来てもらって申し訳ない」
声を上げることすらためらっている人達の声を、大切に受け止めること。これから継続して、今の自分に出来ることを実行し、寄り添っていこうと考えています。