親の姿の呪縛から解放されることが大切

日本ではこの30年間(ほぼ親子1世代)で法律や教育環境が大きく変化した。

1992年育児休業法(現在の育児介護休業法)施行から30年以上、2016年女性活躍推進法施行から10年が経過し、そして、Z世代の男女は全て4年制大学進学率が5割を超え、男女格差も僅差である(統計的には同じといってよい)。

それにもかかわらず、上記で示したようなまるで自身の親世代の夫婦をベンチマークとしたかのような「結婚できるのはこういう人だろう」といった思い込みによるミスマッチが、結婚希望男女間になぜいまだ根強くあるのだろうか。

長引く少子化によって人口構造が高齢化し、中高年民主主義ハイリスク社会となっている中で、社会の多数派の常識が、Z世代の若者にとっては非常識(望ましくないもの)となり、社会が指し示す夫婦の未来像には希望が持てない、もっというならば「結婚できるのはこういう人たちだろうけれど、自分には無理である」となっているのではないだろうか。

未婚化する日本において最も必要なのは「過去の夫婦の姿の復権」でも、「社会の大半の夫婦が踏襲してきた姿への若者の追随」でもない。

デジタルジェネレーションといわれるZ世代男女自身が描く、「こんな二人になりたい」への政治、経済、社会の追随ではないだろうか。間違っても「親世代の夫婦の姿」が呪縛となって、彼らが出会いに踏み込めない、2人の未来に期待できないような社会になってはならない。

(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 生活研究部 人口動態シニアリサーチャー 天野 馨南子)