・若手が「静かな退職」を選ぶのは、提案が無視された結果のサイン

・大企業ではミスをしない「不安耐性の低い人」ほど出世する傾向

・人事データと学術的理論を掛け合わせ、意欲を高める4条件「FANSモデル」を開発

なぜ今、組織に「静かな退職」が蔓延するのか

最低限の業務はこなすものの、会社への熱意を失ってしまった状態を指す「静かな退職(Quiet Quitting)」。データによると、正社員の46.7%がこの状態にあり、20代では半数を超えている。

なぜ優秀な若手ほど無言のボイコットを続け、去ってしまうのか。TBS CROSS DIG with Bloombergの「CROSS DIG 1on1」では、元伊藤忠商事で3万人規模の人事データを分析してきたデータサイエンティストであり、現在は株式会社VITAL DESIGN代表の渡邉貴志氏を迎え、若手がやる気を出す組織づくりを科学的に紐解いた。

優秀な若手が「静かに退職」する本当の理由

最初からやる気のない状態で入社してくる若手はほとんどいない。渡邉氏によると、彼らが心を閉ざす背景には共通のプロセスがあるという。

「1年目、2年目で勇気ややる気を持って入ってきている方が多いのですが、そういう方ほど、提案したり変えようと何かトライするんですね。このトライを重ねていって、『あれ、俺の話を聞いてくれないじゃん』となると、成長実感を感じられなくなって辞めていくケースが多いです」

静かな退職の本質は、若手が発していた「変えたい」というサインを、組織が見落とし続けた結果なのだ。

上司や人事がすべきなのは、彼らの提案を頭ごなしに否定しないことだ。

「何かの提案をなるべく形にしてあげたり、小さくてもいいから成功体験を積ませてあげることが大事です」