(ブルームバーグ):トランプ米大統領は7日、重要鉱物をめぐる30億ドル(約4700億円)規模の米国の投資をアピールした。中国が主導する供給網への依存から脱却する狙いがある。
米国務省で開かれた業界大手の幹部らとの会合で、トランプ氏はこうした事業について、「数千人の雇用を生み出し、米国の経済安定と安全保障を促進する」と述べた。さらに「鉱山労働者を再び現場に戻し、世界の鉱物大国として米国が本来あるべき地位を取り戻す」と語った。
トランプ氏によると、投資には国防総省の戦略資本局がシラ・ナノテクノロジーズと結ぶ14億ドルの融資契約が含まれる。シリコン系負極とリチウムイオン電池セルの生産拡大に充てる。このほか、国防総省がサンライズ・エナジー・メタルズに4億ドルを投じ、航空宇宙・防衛産業に欠かせないスカンジウムの生産をオーストラリアで拡大する。ミネソタ州のレアアース企業ナイロン・マグネティクスにも1億5000万ドルを投資する。
米輸出入銀行もすでに発表済みの合意の一環として、アイバンホー・エレクトリックがアリゾナ州で進める「サンタクルーズ」銅プロジェクトを対象とする10億ドル超の融資提供に向けて取り組んでいる。このほか、アラバマ州で黒鉛鉱山を立ち上げるため2500万ドルを投資する。

トランプ氏は、業界の教育プログラムを強化するため1億8000万ドル超を投じる計画も強調し、「米国の次世代の鉱山労働者を育成する」と述べた。
また、自らの取り組みによって、米国が「将来、優位に立つために必要な資源を、敵対する国に二度と依存しない」ようにすると強調した。
今回の会合は、9月に予定される中国の習近平国家主席のワシントン訪問を前に、米国内の重要鉱物の開発・加工を促すトランプ政権の取り組みを示すものだ。トランプ氏は、自らの政権下で国内の鉱山が急速に操業を再開していると述べた。70年以上ぶりという米国のレアアース鉱山や、1980年以来初となる新たなアルミニウム製錬所の建設を例に挙げた。
先端産業に欠かせない重要鉱物や磁石をめぐる輸出規制は、米中の貿易休戦によって緩和されたものの、レアアース(希土類)はなお、米中間の対立要因となっている。米国は、採掘から磁石生産まで、中国に依存しない供給網の構築に向け、国内企業と連携を進めている。
原題:Trump Touts $3 Billion in Minerals Projects to Counter China(抜粋)
--取材協力:Jacob Lorinc.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.