■要旨
・5年に1度の国内最大規模の基幹統計である「国勢調査」の令和7年調査の結果(速報値)が6月末に公表された。
・人口問題に関しては「なんとなく」といった不正確な理解を前提として議論されることがあまりに多いため、本稿では、令和7年国勢調査速報値を用いて、まずは都道府県人口の最新値とその人口割合を紹介したい。
・そして、50代人口が人口最大派閥となった現在の日本において見落とされがちな 「人口サステナビリティの主役たち」の視点から、私たちが向き合うべき喫緊の課題について提言したい。
5年に1度の大規模調査「国勢調査」が示す都道府県人口
1|人口の5%(20人に1人以上)は6エリア
5年に1度の基幹統計である国勢調査の令和7年調査の結果(速報値)が6月末に公表された。人口に関しては「なんとなく」といった理解で議論されることが多いため、令和7年国勢調査速報値を用いてまずは都道府県人口の最新値とその割合を紹介したい。
今回の調査で人口の5%、つまり20人に1人以上の人口数を維持したのは、東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県、千葉県の6都府県となった。
東京都が11.6%と人口の9人に1人を占めている。ついで神奈川県と大阪府で、この2エリアの人口割合は0.4ポイントと僅差となっている。東の東京、西の大阪というイメージが強いため、神奈川県が人口数で2位であることに驚く読者も少なからずいるかもしれない。しかしながら令和2年国勢調査、令和7年国勢調査とも、大阪の1.05倍の人口が神奈川県の人口となっている。
4位の愛知県と5位の埼玉県が国民の17人に1人の人口割合で僅差となっている。神奈川県が大阪府とほぼ同じくらいの人口、そして、埼玉県が愛知県とほぼ同じ人口で、5位に千葉県が国民の20人に1人としてランクインしていることから、東京都というよりも、首都圏(1都3県)が巨大な人口(合計30.1%)を有しているということが明確になっている。

国民の3人に1人は首都圏に在住しているため、東京一極集中というよりも、首都圏(関東平野)一極集中である、というイメージを持った方が、むしろ実態に近いイメージといえるかもしれない。
2|国民の5%未満2%以上が7エリア
次に国民の50人に1人以上20人に1人未満の人口となったエリア、7道府県をみてみたい。
兵庫県と福岡県と北海道が500万前後の人口で、総人口の23人から35人に1人となっている。上位9道府県がそれぞれ人口の4%以上(25人に1人以上)となる一方で、残る10位以下の38エリアは3%を切る状態である。
2%(50人に1人以上)台には、静岡県、茨城県、広島県、京都府がランクインしている。
九州地方の最大人口県の福岡県の人口は508万人で、北海道の人口に近似している。三大都市圏の中心である東京都や愛知県や大阪府と比べると、東京都が福岡県の2.8倍、愛知県が1.5倍、大阪府が1.7倍の人口となっている。急速な少子化による若者人口数の少なさから、若者が若者の多い場所に移動していく人口動態にある中で、今後、大都市圏といえども福岡から大阪・愛知・東京、愛知から大阪・東京、大阪から東京、という若者の流れは、次世代人口維持(若者の家族形成)の観点から考えてもそれを阻止することは難しいともいえるだろう。
3|国民の1%以上、2%未満の17エリア
人口数で14位から30位、すなわち国民の100人から50人に1人を占めるエリアは17県存在している。東北地方の中心エリアである仙台を擁する宮城県であっても、すでに国民の55人に1人となっている。
日本は現在47都道府県存在する。47都道府県に均等に人口が存在するとすると、1エリアにつき100÷47=2.1であるので、47エリアという規模を前提とするならば、単純なエリア数割計算で1エリアにつき国民の2.1%の人口は欲しいところだが、その2.1%に満たない13位以下のエリアが35エリア存在し、もはや47都道府県の実に74%のエリアに達しているという点を考えると、そもそも論としての現行のエリアの線引き自体に、非常に違和感があると言えなくもない。
現在、公立小学校の1クラスの上限が35人であるので(通称:義務標準法)それを参考にすると、日本国民を集めてランダムに1クラスを作った場合、そのエリアの人が1人もいないクラスとなってしまうエリアが、10位の静岡県以下の38エリア、81%にも達しているという状態になっている。

