(ブルームバーグ):個人投資家による株式売買の急増は、市場を変えつつあるだけでなく、若年男性の意欲喪失とも強い相関があることが、結婚を推進する米シンクタンク、家族研究所が5日に公表した調査で明らかになった。
同研究所によると、対象の18-29歳の男性2000人の内、4人に1人が毎日株式を売買しており、そのうち64%が、自分は「人生の敗者だ」と感じていると答えた。
この結果は、ギャンブルをする男性の結果と酷似している。スポーツや各種イベントへの賭けを含め、毎日ギャンブルをすると答えた若年男性は23%で、その66%が同様の苦悩を抱えていると回答した。この調査では若年男性に対し、日常の行動や将来に対する考え方などについて幅広く質問した。また、ギャンブルに近いデイリーファンタジースポーツ(DFS)やポルノの利用も、「人生の敗者」と感じることとの相関が認められた。

若年男性が教育や雇用の面で立ち遅れ、スポーツや各種イベントへの賭けで自身の資産を危険にさらし、精神的な危機にも直面しているとして、学者や評論家は懸念を強めている。
一方で、ギャンブルと投資の境界は曖昧になっている。個人投資家による株式売買高は過去15年間で2倍に増加し、デイトレーダーの参画でオプション取引高は過去最高水準に達している。ロビンフッド・マーケッツやインタラクティブ・ブローカーズ・グループなどの金融サービスプラットフォームは、株式取引に加えて各種イベントでの賭け機会も提供し、Z世代の関心を取り込もうとしている。
住宅購入など、これまで経済的成功の指標は手が届かないものになりつつある。一部の研究では、若者は高いリターンを得ようと、リスクの高い金融行動に傾きがちなことが示された。保険会社ノースウェスタン・ミューチュアルの調査によると、Z世代の投資家の80%が、経済的に出遅れていると感じており、資産形成の目標を達成する上で、株式やオプション、暗号資産、予測市場への投資が有効だと考え、それらに投資、または投資を検討したと回答した。
家族研究所の研究者は、デイトレード、ギャンブル、ファンタジースポーツ、ポルノ利用などの行動は、落胆やストレス、孤独感の対処手段となる一方で、さらに悪化させる恐れもあるとの仮説を立てている。デイトレードなどを毎日より少ない頻度で行う若年男性の場合、意欲喪失を感じていると答える割合がほぼ半減した。
調査回答者全体では、42%が「総合的に見て、自分は失敗者だと思う」という問いに「非常によく当てはまる」または「ある程度当てはまる」と回答した。この傾向は、大学卒業資格を持たない男性や、就業も就学もしていない男性で特に強かった。
回答者の4人に1人は、常に孤独を感じていると答え、30%は時々そう感じると回答した。
また、この調査では、若年男性が将来に大きな希望を抱く一方で、アメリカンドリームに幻滅していることも明らかになった。回答者の10人中7人は、「成功は能力や努力よりも、人脈で決まる」と答え、84%は将来に向けて大きな目標を持っていると回答した。
原題:Some 64% of Young Men Day Trading Stocks Feel Like Failures (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.