規制当局の「不都合な真実」と激増する廃水
テキサス州の石油・ガス規制当局である「テキサス鉄道委員会」は、長年相次ぐ有毒間欠泉の報道を把握していました。情報公開請求によって判明した2023年10月の非公開内部資料(テキサスパイプライン協会へのプレゼン資料)には、彼らが「貯留層圧力上昇による危険」を完全に認識していたことが記されています。
資料には「現場作業員の報告した漏出は浅層圧入と関連がある可能性がある」とされ、掘削の危険性、坑井の損傷、パイプの腐食、従来の生産業への悪影響、封じ込めの失敗、地表への流出、地下の飲料水資源への害、などが明記されていました。

危険を知りながら2023年半ばに浅層圧入の規制緩和を検討することに同意した点に疑問が残りますが、鉄道委員会は「保護基準を緩めず地震を減らすことに成功した。規制を微調整していく」とコメント。
シェブロンも「深層処理停止後、浅い層への処理や広範囲への分散が現状とりうる次善の策だった」と言い訳を述べ、地上でのリサイクルや再利用を模索していると付け加えました。
しかし、問題は悪化の一途をたどっています。
1日あたりの廃水量は、2018〜2019年には800万〜1000万バレルだったものが、今や2500万〜3000万バレルへと激増しています。
これらの水平坑井は古くなるほど石油に対する水の産出量が増えるため、事態は極めて深刻です。
未来への挑戦と、西テキサスの自然
石油生産を続けるには廃水問題の解決策が不可欠であり、数年前から廃水を淡水化して再利用する取り組みが始まっています。
処理された水は透明で蒸留水レベルの水質を持ち、冷却塔や建設資材、農業などへの利用が期待されています。

井戸から漏れている廃水の約半分を再利用できれば業界は一息つけますが、この技術をいかに早く経済的に、かつ信頼性を確保して機能させるかが大きな課題です。
西テキサスは単なる不毛の荒野ではなく、シカやオオヤマネコなどの野生動物が息づく場所です。
しかし、規制当局である鉄道委員会は直接影響を受けていないためか、この深刻な懸念事項に真摯に向き合っていないのが現状なのです。