(ブルームバーグ):AIブームの中核を担う米半導体メーカーのエヌビディアは、最新設計の半導体が顧客への納入段階に入っていると明らかにし、業界における同社の主導的地位が一段と強固なになるとした。
エヌビディアのバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのイアン・バック氏によると、新たな「Vera Rubin」技術を採用したコンピューティングシステムは主要なAI企業に納入されており、近く本格稼働する見通しだ。
バック氏は米カリフォルニア州サンタクララの本社で開いたブリーフィングで、「われわれは完全な量産体制に入っている」とし、「主要顧客全てで導入が進んでいる」と説明した。
Vera Rubinの投入を巡っては、遅延や製造上の問題が生じるのではないかとの懸念から、投資家やアナリストの注目を集めていた。同社のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はこうした懸念を既に否定しているものの、競争優位性の低下に対するより広範な不安はなおくすぶっている。

今年に入ってフィラデルフィア半導体株指数が約66%上昇する中、エヌビディア株の上昇率は9%にとどまる。一方、インテルやアーム・ホールディングス、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価はいずれも2倍超に上昇した。
エヌビディアは、データセンターでAIソフトウエアを稼働させるAIアクセラレーターの最大手としての地位を維持している。一方で、AMDやブロードコムなどの競合は市場シェア拡大を狙って攻勢を強めている。アマゾン・ドット・コムなどのデータセンター運営企業も独自設計の半導体開発を進めており、エヌビディアへの依存度が低下する可能性がある。

こうした状況を背景に、エヌビディアには最新製品を予定通り投入し、競合を上回る性能を備えていることを示すよう圧力が強まっている。同社はブリーフィングで、新製品は従来より高性能で導入もしやすいと強調した。
エヌビディアによると、対話型AI「ChatGPT」を手掛けるOpenAIは7-9月(第3四半期)にVera Rubinを「大規模に」導入する計画だ。コアウィーブやアルファベット傘下のグーグル・クラウド、マイクロソフトのクラウド部門「Azure」、メタ・プラットフォームズ、デル・テクノロジーズなどもVera Rubinシステムを採用しているという。
今年に入ってエヌビディアに対する投資家の見方は慎重だが、同社の売上高は一段と伸びが加速する見通しだ。今期の売上高は前年比82%増の3934億ドル(約64兆円)と、前期の65%増を上回る伸びが予想されている。さらに翌期には売上高が5000億ドルを超えると見込まれている。
同社は売上高が半導体業界全体の約3分の1を占める勢いにある一方、高い収益性も維持。生産コストを差し引いた売上総利益率は今年約75%に達すると予想されている。
同社幹部によれば、エヌビディアは製品性能の向上に向け、実用的なものから画期的なものまで幅広い新技術を順次投入していく。
原題:Nvidia Touts Progress Getting New Rubin Design to Customers (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.