(政府支出)政府閉鎖の反動で短期的に回復も、財政政策の影響は不透明

実質GDPにおける政府支出は、前述のように連邦政府機関の一部閉鎖の影響により弱い動きとなった。25年10-12月期の政府支出は前期比年率▲5.1%と大幅に減少した。

政府支出のGDP成長率への寄与度をみると、25年後半は連邦政府支出が成長率を押し下げていることが確認できる。

もっとも、政府閉鎖期間中に未払いとなった連邦政府職員の給与が後に支給されることから、26年1-3月期にはその反動で政府支出が一定程度回復する可能性が高い。

26会計年度(25年10月~26年9月)の歳出法案審議は概ね進展している。裁量的歳出12本の歳出法案のうち、国土安全保障省(DHS)を除く11本については年度末までの本予算が成立した。

一方、DHSの予算審議では、不法移民対策を巡る与野党の対立が続いており、暫定予算の期限を迎えた2月14日以降もDHSの政府閉鎖が継続している。さらに3月5日にはDHSのノーム長官が辞任しており、DHS予算の成立時期は依然として見通せない状況にある。

ただし、DHSを除く歳出法案は成立しているため、今回の政府閉鎖がマクロ経済に与える影響は限定的とみられる。

26年の財政政策については依然として不透明感が強い。トランプ大統領の一般教書演説では新たな大規模減税などの財政政策は示されておらず、当面は25年7月に成立した減税・歳出法(OBBBA)に盛り込まれた政策の実施が中心になる可能性が高い。

もっとも、27年11月の中間選挙を控える中で、トランプ政権が景気下支えを目的として追加的な減税策などの財政政策を打ち出す可能性もある。ただし、財政赤字の拡大や関税政策の動向などを踏まえると、新たな大規模な財政政策が実現するかは不透明である。

また、中東情勢の緊張を背景に国防支出が拡大する可能性もある。イラン戦争の動向次第では追加的な軍事支出が必要となる可能性があり、今後の政府支出の動向を左右する要因となり得る。

さらに、関税政策の動向も財政余力に影響を与える可能性がある。IEEPA関税を巡る司法判断によっては過去に徴収した関税の還付が必要となる可能性がある。税関・国境警備局(CBP)によれば、25年に徴収された同関税は約1,340億ドルとされる。

ただし金額規模は限定的であり、仮に還付が実施された場合でも財政や金融市場への影響は大きくないとみられる。このため、政府支出は短期的には政府閉鎖の反動で持ち直す可能性があるものの、財政政策の先行きは依然として不透明な状況が続くとみられる。