排外主義ではなく、包摂の拡大
1 国際的な潮流の日本への波及
外国人政策は、欧米でも政治的なイシューとなっている。例えば、米国におけるトランプ政権の誕生、フランスにおける国民連合(RN)の躍進、ドイツにおける極右政党ドイツのための選択肢(AfD)の支持拡大などである。
これらは、格差拡大や生活実感の悪化が既存政治への批判につながり、それが大量に流入してくる移民への不安や不満と結びついて、排外主義を掲げるポピュリズム政党が支持を集めた事例である。
ただ、日本の場合、外国人人口が総人口に占める割合は2.8%と、先の事例にあった米国の15.2%、フランスの13.8%、ドイツの19.8%と比べれば、まだ低いと言える水準にある。
ストックで見る限りでは、外国人の存在が日本で決定的に大きな影響を及ぼしているとまでは言い難い。
それでもフローで見れば、日本で暮らす在留外国人数は3年連続10%超で増えている。この急激な増加が、外国人に対する不安感を高めているということは考えられる。
