3 矛先としての外国人~接触機会の増加、表面化した問題~

ここ最近、外国人の存在感は、以前より遥かに高まっている。2024年12月時点で日本に暮らす在留外国人は約377万人であり、同10月時点の外国人労働者数は約230万人、2024年の訪日外客数は約3,687万人と、いずれも過去最高を更新している。

外国人は日本経済にとって、生活者としては内需拡大、労働者としては人手不足の緩和、訪日客としてはサービス消費の拡大などに貢献する。

その一方で、外国人が急増している地域社会や観光地といった現場では、受け入れ態勢の整備が追い付かず、様々な問題も顕在化しつつある。

例えば、観光客が地域の受け入れ能力を超えて流入するオーバーツーリズムの問題は、インバウンド需要の拡大と共に大きくなっている。

実際、オーバーツーリズムに関する報道量は、コロナ禍後の訪日外客数の回復と重なるように増加している。

さらに、外国人技能実習生が関わる事件も立て続けに起き、外国人に関する問題が認識されやすい状況があったことも事実である。