(ブルームバーグ):ラスベガスで開かれている米最大のテクノロジー見本市「CES」では、ロボットがコーヒーを注ぎ、卓球をし、ポーカーの手札を配り、洗濯物を畳んだ。
テクノロジー業界にとって、人型ロボット「ヒューマノイド」が次の大きなテーマとして浮上している。CESの参加各社は最新ロボットを家事ヘルパーやコンパニオンとして売り込んでいるが、その実用化にはまだ長い道のりがある。
こうしたロボットは管理された工場の環境下で稼働させることすら十分に難しく、家庭という個別性の高い空間を行き来するのは別次元と言える課題だ。まず性能を大幅に高め、価格も下げる必要がある。

韓国のLGエレクトロニクスは、CESのステージに新型ロボット「CLOiD」を登場させた。最大の驚きはロボットが人型であることではなく、同社がライブデモに挑んだことだった。
ヒューマノイドは倉庫にしまわれ、機能する証拠が示されるのは厳密に管理された実験環境下ということが多い。公開プレゼンテーションを試みる企業でも、リスクが見返りを上回るケースが少なくない。
だが、身長5フィート(約152.4センチメートル)弱のCLOiDはステージをゆっくり横切り、来場者に両手で手を振った。その後、洗濯機に衣類を1枚入れたが、その動きはほとんど痛々しいほど遅かった。
LGの幹部ブラント・バーナー氏は5日のメディアイベントで、「LGのAI(人工知能)ホームは機器と空間、人の行動がシームレスにつながる流れを構想している。最終的には、時間と快適さの双方を保つ『ゼロ労働の家』という目標を達成する」と述べた。
こうしたコンセプトは、派手さではなく、平凡で反復的な家事を通じて、家庭におけるロボティクスの位置付けを再定義しようとする大胆な試みだ。
親指を含めた精密な指の制御は特に大きな障害だったが、ここ数年の進歩により、ヒューマノイドはより器用になり、複数の作業を同時にこなせるようになってきた。
CESを主催する米コンシューマー・テクノロジー協会(CTA)はロボティクス専用の展示ホールを設け、「フィジカルAI」がテクノロジー業界の次の大きなステージであることを示した。
半導体メーカーの米クアルコムはCESのブースで、自社のプロセッサーとソフトウエアがフィジカルAIの基盤を成し、家庭用ロボットから等身大のヒューマノイドまで駆動できるとアピールした。
米ボストン・ダイナミクスと同社の筆頭株主である韓国の現代自動車は、現代自動車のジョージア工場で使われているヒューマノイド「Atlas」の次世代版について、テストが進行中だと明らかにした。
ボストン・ダイナミクスはロボット犬「Spot」や倉庫の補充作業向けの移動型ロボットアーム「Stretch」の成功により、高度ロボティクス分野でリーダーと見なされている。
ロボティクス分野には資金が流入しているが、ヒューマノイドが商業的に成り立つほど安全で機動性が高く、安価になるまでには、なお大きな課題が残っている。

原題:Humanoid Robots Deal Cards, Fold Laundry at CES. Very Slowly (1)(抜粋)
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