上場維持基準を下回っている企業は約200社
では、現在この新しい上場維持基準を下回っている企業はどの程度存在するのか。
2025年8月20日時点で、上場会社3,800社のうち217社(全体の約6%)が上場維持基準を下回っていた。
市場区分別ではプライム市場67社、スタンダード市場104社、グロース市場46社とスタンダード市場で未達企業が最も多かった。
ここでいう基準未達企業には(1)改善期間に入った銘柄と(2)経過措置の適用により一時的に上場を維持している銘柄の双方を含んでいる。
前者は、本来の上場維持基準に基づき判定基準日で未達となり所定の改善期間が付与されている企業である。後者は経過措置により緩和された基準の下で上場を続けてきた企業を指す。
なお、経過措置は2025年3月で終了しており、後者の企業も次に迎える判定基準日からは本来の上場維持基準が適用され、基準を下回れば改善期間に入る。
市場ごとに未達企業数が多い2項目について進捗状況を集計し、直近の判定基準日をベースに、各企業が開示している最新の「適合計画書」等の資料をもとに整理した。
プライム市場およびスタンダード市場では、流通株式時価総額基準の未達企業が集中しているのに対して、グロース市場では時価総額基準に抵触する企業が目立つ。
これは前二者では株式の流動性確保(株価×流通株式数)が課題となっている企業が多い一方、グロース市場では企業規模そのものが基準未達の主因となっていることを示している。
さらに、東証はグロース市場の時価総額の水準を現行の「上場10年経過後から40億円以上」から「上場後5年経過時点で100億円以上」に厳格化する方針を示しており、今後は規模要件を満たせない企業が増える可能性がある。