米政府機関の閉鎖が4日で過去最長記録に並んだ。この日はニューヨーク市長選をはじめ注目の選挙が実施されており、選挙をひとたび通過すれば障害が取り除かれ、対立解消に向かう可能性もある。

4日に投開票されるのはニューヨーク市長選のほか、ニュージャージー州とバージニア州の知事選などが含まれる。これが終われば、共和・民主両党は来年の中間選挙に向けた態勢づくりを一気に本格化させる。だが、今回の投票結果が党派間の分断をさらに深めるのか、それとも妥協を促す方向に働くのかはまだ見通せない。

複数の共和党関係者は、民主党が政府閉鎖を巡って強硬姿勢を維持していることについて、選挙を控え進歩派の支持層から反発を招くことを恐れているためだと指摘している。一方、民主党が今回の選挙で大きな勝利を収めれば、トランプ政権下で影響力を発揮する機会が限られる同党にとって、自らの主張を強めることもあり得る。

共和党のスーン上院院内総務

週明け3日にワシントンに戻った共和党のスーン上院院内総務は、政府閉鎖が週内にも終わると「楽観している」と記者団に対し述べた。

ただ、下院が可決したつなぎ予算案は政府資金を11月21日まで手当する内容で、もはや十分ではないとの認識を示した。上院はこれまで同予算案の採決を13回行ったが、いずれも民主党の反対で否決されている。

スーン氏は通年予算を協議する時間を確保するため、週内により長期のつなぎ予算案の採決を行う意向を示した。民主党にとっては、新たな要求を盛り込むよう交渉する余地が生まれる見通しで、例えば一時帰休となった連邦職員への給与補償やその他の保護措置などが検討課題となり得る。背景には、トランプ大統領が2期目就任以降、連邦政府職員を標的にしていることがある。

ただ民主党は、政府閉鎖を終結させる条件として、医療保険制度改革法(オバマケア)の補助金延長を引き続き要求している。約2200万人が対象となる保険の加入受け付け期間は11月1日に始まり、多くの人々が来年1月1日以降に保険料の大幅上昇に直面する見通しだ。

民主党のシューマー上院院内総務は3日、「民主党は当初から一貫して明確な立場を示してきた」とした上で、「国民の医療費負担を軽減し、政府を再開させ、医療保険制度改革法の補助金を延長する必要がある」と語った。

原題:Shutdown Ties Record as Elections Create Possible Turning Point(抜粋)

--取材協力:Erik Wasson.

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