(ブルームバーグ):米OpenAIのサラ・フライアー最高財務責任者(CFO)は、人工知能(AI)分野でバブルを懸念する市場の見方は過度だと述べ、AIの可能性に対して「もっと熱狂」を集めるべきだとの考えを示した。
フライアー氏は5日、カリフォルニア州で開かれた米紙ウォール・ストリート・ジャーナル主催の「Tech Live」会議のステージ上のインタビューで、「AIの実際的な影響や個人にもたらし得る力を考えると、AIに対する熱狂がまだ十分ではない」と述べ、「私たちはこの道を走り続けるべきだ」と語った。
AI企業の企業評価高騰や、AI開発を支えるデータセンターや半導体への巨額投資の加速に一段と厳しい目が向けられている。OpenAIだけでもAIインフラへの投資として1兆4000億ドル(約215兆円)超の支出を約束しているが、同社は依然として黒字化していない。
AIデータセンター構築を進めるため、OpenAIはエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などと大型契約を結んでいる。こうした取引については、「還流」との批判もある。エヌビディアは、OpenAIのデータセンター拡張を支援するため最大1000億ドルの投資に合意。OpenAIはその施設に数百万枚のエヌビディア製チップを導入すると約束した。
フライアー氏はインタビューで、「還流とは全く考えていない」と述べ、「われわれは世界により多くのコンピューティング能力をもたらすための完全なインフラを構築している」と指摘。「この1年で大きな成果の一つは、供給網を多様化できたことだ」と付け加えた。
対話型生成AI「ChatGPT」を手がけるOpenAIは半導体メーカーとの提携に加え、インフラ整備を支える多様な資金調達手段の確保も目指している。フライアー氏は、OpenAIが「銀行やプライベート・エクイティ(PE)などのエコシステムを模索している」と述べた。
OpenAIは今後、資金調達の一環として新規株式公開(IPO)に踏み切る可能性があるとみられているが、フライアー氏は現時点でその準備は進めていないと述べ、「IPOは現時点で予定にない」と語った。
原題:OpenAI CFO Says Bubble-Wary Market Needs More AI ‘Exuberance’(抜粋)
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