世界が目を見張る経済成長を続けるインド。しかし、その裏側では、何百万もの若者たちが「仕事がない」という厳しい現実に直面しています。求人には何百人もの応募者が殺到し、就職フェアは連日、夢破れた若者たちの溜め息で溢れかえっています。

20歳から24歳の失業率「42%超」との調査結果も

インドは世界で最も成長速度の速い主要経済大国であると同時に、14億人という膨大な人口を抱える国です。

しかし、この人口増加に見合うだけの雇用を生み出せていないのが現状です。

インドの若者:
「これまで8回から10回は就職フェアに来ました。4、5社に応募しましたが、いまだに仕事は見つかりません」。

大学を卒業しても安定した職に就けない現状に、多くの若者が焦りを感じています

政府は失業率を低く見積もっていますが、一部の推計では8%にも達すると言われています。

特に深刻なのは、若い労働力に見合う質の高い仕事が不足している点です。

例えば、29歳のチャンダン・クマールさんは、大学を卒業していながらも約12年間、正社員の職を探し続けています。

現在はフードデリバリーで生計を立てていますが、その収入は不安定で、将来への不安は尽きません。

クマールさん:
「卒業した当時は良い仕事が見つかると期待していましたが、近所には仕事がほとんどなく、あっても給料がとても低いんです」

クマールさんのようなケースは、インドでは決して珍しいことではありません。

インドの人口の半分以上が30歳未満で、他国と比較して大きな強みとされていますが、若年層が職に就けない現状は、むしろ国の成長を阻害する要因となっています。

特に20歳から24歳の失業率は42%を超えるという調査結果もあり、多くの若者が安定した仕事を諦め、クマールさんのように日雇いの仕事でしのいでいます。

彼らは給料や保険の保証もなく、政府からの支援に頼らざるを得ない状況に置かれています。