「子どもは癒しグッズじゃない!」つんつんは“バウンダリー”を軽視?!

助産師で性教育ユーチューバーとして活動するシオリーヌさんは、自分の体が持つ権利を知り、他人と関わりながら、社会で健康に安全に生きていくための『包括的な性教育』の重要性を発信している。その中で、よく紹介されるのが“バウンダリー”という概念だ。子どもの“バウンダリー”への意識が、つんつんの受け止めの違いに影響すると指摘する。
ーー子どものほっぺがつんつんされることに、なんともいえない違和感があるのですが、これって変でしょうか?
「私もその違和感にすごく共感します。
つんつんする行為は、子どものためというより、触っている側が、子どものムチムチした体が気持ちいいとか、癒される、などが理由だと思うんです。でも、子どもは癒しグッズでも、ぬいぐるみでもありませんよね。
特に言葉を発しないお子さんの場合は、子どもの権利や、バウンダリーが軽く扱われやすいです」
ーーバウンダリーですか…どういう概念でしょうか?
「日本語で言えば境界線のことです。性教育で大切なことの一つは、自分の体のことを決める権利は自分自身にあるということです。自分にはプライベートな領域があって、人と人との間には境界線があると考えます。
ですので、境界線を踏み越えて、その人のプライベートな領域に入るとき、例えば、その人の体に触れたい、などというときには、その人の同意を確認するのが大原則なんです」
ーーつんつんは、バウンダリーを同意なく踏み越えていますね…。でも、幼い子どもにもバウンダリーはあるのですか?
「子どもにもあるのだと意識することが大切です。授乳、オムツ替え、抱っこ、などなど、赤ちゃんのときは毎日肌と肌が接する生活が続きますよね。幼いころからの積み重ねで、大きくなっても、わが子への境界線は曖昧になりがちだと思います。だからこそ、親がバウンダリーを意識しすぎるくらいして、その子を1人の人間として尊重していくということが必要だと思います」