高市総理が“労働時間の規制緩和”について閣僚に検討するよう指示したことが波紋を呼んでいます。私たちの働き方が変わるんでしょうか?

「娘は働いて亡くなった」遺族反発

横田早紀江さんら拉致被害者の家族会と面会した高市総理。27日から来日するトランプ大統領に拉致問題への理解と協力を求めていく考えを示しました。

新政権発足から3日目。23日も次々と公務をこなしていきます。

自民党 高市早苗新総裁 
「働いて、働いて、働いて、働いて、働いて参ります」

「働く」を連呼し、自民党総裁への意気込みを語っていた高市氏。その高市総理が21日、厚労大臣に出した指示書が波紋を広げています。

高市総理から厚労大臣への指示書
「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行う」

残業時間の上限を定めた労働時間規制について、緩和の検討を指示したのです。過労死などで家族を亡くした遺族たちには、不安が広がっています。

23日、国会内で開かれた会合では…

髙橋まつりさんの母 幸美さん
「みなさん娘のことをまだ覚えていてくださるでしょうか。10年前、2015年のクリスマスの朝、娘はマンションから飛び降りて亡くなりました。娘は正社員になってから、眠れないほど仕事の長時間労働で、心も身体も追い詰められてきました」

髙橋さんの娘、高橋まつりさん(当時24)は、大手広告会社「電通」に入社した2015年、過労の末、自ら命を絶ちました。

髙橋まつりさんの母 幸美さん
「本当に守ってあげられなくて。10年経つけど、娘との楽しかった日のことばかりが思い起こされて。生きてたら、もっともっと楽しい事がいっぱいあったのにと思うと…なんで死ななきゃいけなかったのか。本当に悲しいです」
「(Q高市総理の労働時間規制緩和の検討指示について)労働時間の規制緩和は本当にしないで欲しい。娘は『働いて、働いて』長時間労働の末、過労自殺で亡くなってしまった」

長時間労働による過労死をなくすために導入されたのが、残業時間の制限です。2019年に施行された「働き方改革関連法」では、時間外労働の上限は原則、1か月に45時間、1年で360時間までと定められました。

施行から5年。見直しの議論が続いてきた中での総理の指示に…

上野賢一郎 厚労大臣
「21日の総理からの指示も踏まえて、今後、総点検の結果を精査しながら、審議会等での議論を深めてまいりたい」