若い時から少しずつ、幅広くコツコツと 消費も自己投資も

もう一つ気になるテーマといえば株価の行く末です。

先ほどのみずほリサーチ&テクノロジーズの想定では、2026年に日経平均株価の上昇率は年間プラス4.3%になるとしています。

宮嵜さんは「株を持っている人ほど、期待収益率は高くなる可能性があるという想定です」とし、さらには、これまで考えることが少なかった「複利効果」のメリットを享受する人も増えてきそうだといいます。複利効果とは、収益を再投資することで、利益が利益を生んでいくことを指します。

この状況下で、宮嵜さんは「若い時から少しずつでもいいので、株も預金も幅広くコツコツと運用していくと、大きく資産を膨らますことができる世界になってくると思います」。

一方の末廣さんは「金利があるからといって貯蓄ばかりするのでなく、ちゃんと消費もしてバランス良くやっていくしかないと思います。『貯蓄から投資へ』は、新NISAも含めて進んだと思いますが、逆に、投資ばかりで消費しなくなると、経済が回らなくなる可能性もあるので、最近は『貯蓄から投資も消費も』と言っています」と危機感を込めて話します。

さらに末廣さんは言葉を続けます。「最近は、ちょっと心配だからと投資する人もいるのではと思いますが、それだと本末転倒です。株価が上がっているから買っているだけだと、不安が残る。消費もしたり、労働所得を増やすために自己投資もしたりすることが必要です。金融資産だけで考えてしまうと、日本経済が明るくならないのではと思います」

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記事構成:TBSテレビ デジタル編集部・影山遼(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

(TBS NEWS DIGオリジナルコンテンツ「経済の話で困った時に見るやつ」より)