中国証券監督管理委員会(証監会)は本土の資本市場により多くの長期資金を呼び込むため、海外機関投資家向け制度の規定を簡素化する計画を打ち出した。

証監会は声明で、適格外国機関投資家(QFII)制度改善に向けた2年間の戦略を発表し、海外投資家が中国の証券市場に従来よりも容易かつ速やかにアクセスできるようにする方針を示した。

オンショアとオフショアの資金ルートの連携を強化することで、中長期資金に対するQFII制度の魅力を高めるのが狙いだとしている。

国営新華社通信が報じたところによれば、証監会の呉清主席は北京で27日に開かれた「金融街フォーラム」で、「この計画は市場アクセスの改善や投資効率の向上支援、投資経路の拡大に重点を置いている」と語った。

証監会が計画している措置には、適格投資家の認可・登録手続きの簡素化のほか、政府系ファンド(SWF)・年金・慈善基金を対象とした「グリーンチャンネル」導入、資金移転や口座運営の効率化が含まれている。

証監会はまた、海外機関投資家のリスク管理や資産配分を支援するため、上場投資信託(ETF)オプションやより幅広い商品先物・オプションの取引を認める方向。政策の透明性向上や短期取引ルールの公平な適用に取り組む考えも示した。

2002年に始まったQFIIは、長年にわたり海外投資家が中国の株式・債券市場にアクセスする上で主要な手段とされていた。新華社によれば、8月末時点でQFII投資家数は907に達し、こうした投資家による中国株保有額は約9490億元(約20兆3500億円)規模に上った。

原題:China Streamlines Foreign Investor Rules to Lure Long-Term Funds(抜粋)

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