(ブルームバーグ):不適切会計問題に揺れるニデック株が、前日比19%安の2070.5円と一時ストップ安となった。4月22日以来の日中安値。内部管理体制などについて改善の必要性が高いとして、東京証券取引所が28日付で特別注意銘柄に指定すると発表。11月5日に日経平均株価の構成銘柄からも除外される予定だ。
ニデックは前期(2025年3月期)の有価証券報告書について、監査法人からお墨付きを得られていない。不適切会計の疑いに対する第三者委員会の調査も進行中だ。東証は、過年度決算訂正の恐れも含め、適正な決算内容を開示できていない状況などを問題視している。

シティグループ証券の内藤貴之アナリストは27日付の英文リポートで、第三者委の調査結果が発表されるまで、株価の上昇は限定的との見方を示した。一方で、11月14日までに提出予定の上期報告書でより明確になるとみられる社内調査や業績の進展にも注目する。
マッコーリーキャピタル証券の田口洋アナリストは投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」に引き下げた。
ニデックは今期(26年3月期)の業績予想を取り下げ、中間配当を無配とすると23日に発表していた。投資家の警戒感がすでに高まっていた中、特別注意銘柄の指定は新たな懸念材料となっている。
特別注意銘柄に指定されると、1年後の審査で、内部管理体制が適切に整備・運用されていないと認められた場合、上場廃止となる可能性もある。

SMBC日興証券の吉田隼人シニアクオンツアナリストらは27日付のリポートで、日経平均除外に伴い11月4日引けに約4800万株、約1200億円の売りフローを予想した。
信用リスクも
ニデックの経営に対する懸念は、株式市場だけでなく社債市場にも広がっている。ニデックの社債スプレッド(国債との利回り格差)は拡大している。ブルームバーグのデータによれば、2027年11月償還のニデック債のスプレッドは、約44ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、9月初旬の29bpから広がった。

SMBC日興の吉川毅シニアクレジットアナリストは、一般論とした上で、「東証の特別注意銘柄に指定されるなど、イベントリスクを抱える企業の社債には、投資家が手を出しにくくなる」と指摘した。さらに、決算を公表できないような企業は、社債市場での資金調達が難しくなり、借り換えコストにも影響が及ぶ可能性があると述べた。
ニデックは28日、特別注意銘柄の指定を受けた声明を公表。第三者委による調査などに全面的に協力するとした上で、ガバナンス及び内部管理体制の整備と強化を図るとした。
(社債スプレッドの情報を追加して更新します)
--取材協力:日向貴彦.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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