12日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=142円台半ばと小幅安で推移。日本株が3%を超える上昇となったことから円売りが先行したが、日本銀行の田村直樹審議委員のタカ派な発言を受けて買い戻す動きがみられる。

市場動向に十分配意しつつ、適時かつ段階的に利上げ必要-田村日銀委員

りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、田村委員が見通し期間の後半には少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げていくことが必要だと述べたことについて、想定通りタカ派の印象だと指摘。ただ、元々最もタカ派の委員のため「これをもってどんどん円を買うということにはならないだろう」と付け加えた。

 

田村審議委員はこの日、岡山県の金融経済懇談会で講演し、金融市場の動向にも配慮しつつ、経済・物価の反応を確認しながら、適時かつ段階的に利上げしていく必要があるとの見解を示した。

株式市場で日経平均株価は米株高を受けて一時3%を超える上昇。りそなHDの井口氏は「前日から投資家心理に改善がみられ、リスクオンの円売りと田村審議委員を受けた円買いが綱引きしやすい状況になっている」と述べ、円が142円を上回っても一時的になりそうだと予想した。

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