(ブルームバーグ):次期国連事務総長の選出プロセスが正式に始動した。
国連総会議長と安全保障理事会議長は25日、加盟国に候補者の推薦を求める書簡を送付した。グテーレス現事務総長の2期目の任期は来年末に満了する。
ベーアボック国連総会議長は同日、記者団に「われわれの選択は、国連としての姿勢と、われわれが世界の人々に奉仕できているかどうかを示す強いメッセージとなる」と語った。
選出プロセスは数カ月要する見通しで、安保理で常任理事国の反対がない候補に絞られるまで投票を重ね、その後、総会で最終投票に付される。次期事務総長の就任は2027年1月となる。
これまで女性が国連事務総長を務めたことがないことから、女性候補を重視すべきだとの声も出ている。また、事務総長の出身地域をローテーションさせるという非公式の慣行もあり、今回は中南米・カリブ海地域の候補が望ましいとの見方がある。
書簡は、加盟国に対し「女性候補の推薦を重点的に検討する」よう促すとともに、「事務総長選考における地域的多様性の重要性」に言及したが、特定の地域を優先するとはしていない。
一方、米国は能力に基づく選考であるべきだと強調し、「すべての地域グループを対象とすべきだ」との立場を示している。米国のシェイ国連臨時代理大使が10月24日の安保理で述べた。
次期事務総長の候補として名乗りを上げている人物は以下の通り。
アルゼンチンの外交官で国際原子力機関(IAEA)事務局長を務めるラファエル・マリアーノ・グロッシ氏は、トランプ政権との関係構築に動き、米国の拠出金を維持し得る実務的な外交官だとアピールしてきた。
チリで初めて女性大統領となり、その後、国連人権高等弁務官も務めたミシェル・バチェレ氏は大統領在任中に税制・教育改革を実施したが、安保理常任理事国の中国に対して批判的であることが事務総長選に影響を及ぼす可能性がある。
コスタリカの元副大統領で経済学者のレベカ・グリンスパン氏は現在、国連上級職員を務めている。同氏は世界の貧困層に打撃を与えているとしてトランプ関税を批判してきた。また、ロシアによる侵攻後にウクライナの穀物・肥料輸出を回復させる枠組みを整えることに貢献した。
原題:UN Kicks Off Race for Next Leader With Call for Candidates(抜粋)
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