富山県内でのクマの出没件数は、過去の平均の2倍と異常事態です。山の実が「凶作」で消え、人里へ下りてきたクマは、その高い学習能力で人間の生活圏を「安全な餌場」として記憶し定着しています。人を恐れず、同じ場所に繰り返し現れるこの「異常の常態化」は、私たち自身の対策不足が招いています。この危機を乗り越えるにはクマに「人里は危険だ」と明確に伝えるための、電気柵の設置や餌になるものの徹底的な除去など、人間側の「線引き」と「行動変容」が不可欠です。

富山県内では10月1か月間の出没が420件。11月11日までの累計は863件に達し、同じ10月の過去10年平均の約3倍となっています。“準大量出没”とされた2023年をもすでに大きく上回る異常事態です。
クマの出没マップを見ると、去年と比べことしは出没範囲が明らかに市街地へと広がっていることがわかります。
その背景にあるのが「山の異変」。クマの主食となるブナやナラ、クルミといった木の実が深刻な「凶作」となっています。
なぜ、山の木の実がなくなると、クマは危険を冒してまで人里に下りてくるのでしょうか。










