給食が苦手な子どもに “完食” は強制していないが…

近年は「学校給食を無理に食べさせない」という指導に変わりつつあります。

文部科学省も「食に関する指導の手引」の中で「達成感や自信につながるよう、まずは苦手な食品の匂いをかぐだけ、ごく少量を食べてみるなど、偏食の原因を軽減するための取り組みを段階的に行います。学級担任や栄養教諭は、児童生徒の努力を認め偏食改善への意欲をもてるよう留意します」と記載されています。

ゆかちゃんの通う学校でも、配膳された量が多いと感じたり、食べられない食材があったりする子どもは、自分が食べられる量に調整することができます。

食べられる量を大切にし、学校側も “完食” を強制しているわけではありませんが…。

それでも食べきれない日が続くと「きょうの献立は何?」「きょう食べられるかな…」などと家を出る直前まで不安な表情を見せていました。

そんな中での『給食参観』。出席した母親は、ゆかちゃんの様子をみて胸が痛んだといいます。

ゆかちゃんの母親:「ゆかに『食べられる量だけ食べたらいいよ』と声をかけましたが、ご飯とスープを一口食べただけで、あとは手をつけずに残しました。周りの子どもたちが楽しそうに食べている姿をみて、胸が苦しくなりました。娘にとって、給食は辛い時間になっているのだと痛感しました」