■薄さおよそ0.01ミリ ふわふわの削り節

業界からの評価は非常に高い牛深の雑節、しかし一般家庭からの知名度は牛深でさえ低いと言われています。
そんな現状を打破しようと立ち上がったのが津田さんの三男、拓司()(たくじ)さんです。2018年、26歳の時に雑節の加工会社「天栄(てんえい)食品」を設立しました。

知名度アップを目指して

天栄食品 津田 拓司さん
「雑節自体の知名度がものすごく低いなと。その原因は何なのか考えたときに、やっぱり雑節を使った加工品が少ないんじゃないかと思って、自分で作りたいと思って天栄食品を立ち上げました」

雑節の商品のほとんどはメーカーや料亭で使われる業務用のもの。そこで拓司()さんが最初に手がけたのは家庭でもよく使われる「けずり節」。素材は牛深ならではの貴重品を使いました。

津田 拓司さん
「あまり市場に出ていない完全天日干しで作っているムロアジ。機械乾燥が主流の中で今、完全天日干しで雑節を作っている会社はなかなかない。とにかくこの削り節がやりたくて」

もちろん加工にもこだわっています。

津田 拓司さん
「薄さがおよそ0.01ミリのふわふわの削り節というのがうりで、一般的な削り節が0.03~0.07ミリぐらいなんですけど、薄く削ることによって魚の風味もよくなって食感もよくなる」

その削りたては・・・

ごはんにかけて しょうゆだけでもおいしいとのこと

津田 拓司さん
「めちゃくちゃおいしいです」

Q やっぱり削りたてが一番?
「この状態が間違いなく一番おいしい。ちょっと半生で」

商品は天草市の道の駅などで販売しています。

その味は、こちらの日本料理店のオーナーも絶賛!だしが命ともいえる京料理が専門の白川((しらかわ)さんです。

料理のほとんどに雑節だし

東浜凜太楼 白川 友聖 オーナー
「料理のほとんどに雑節でとっただしを使用しています。実際においしいですし香りもいい。お客様から『おだしがおいしいね』と喜んでいただけることが多いので、うちの料理を通じて雑節をお買い求めいただくこともある」

現在、雑節の普及のため各地を飛び回っているという拓司()さん。その目標は・・・

拓司さん
「天栄食品という名前も天草の繁栄のためにつけたので、雑節を通じて天草の繁栄に貢献していけたらなと思っています」