自民党は石破総理の後任を決める総裁選を「党員投票」も含めた、いわゆる「フルスペック」でおこなう方針を固めました。「ポスト石破」に向けた動きも加速しています。

けさ、笑みを浮かべながら自民党本部に入った石破総理。臨時の役員会で、幹部らにこう伝えたといいます。

石破総理
「新総裁が選ばれるまでの間、国民に対して果たすべき責任を確実に果たして、新総裁・総理に託したい」

石破氏に近い閣僚は任期途中での退陣に悔しさを滲ませました。

岩屋毅 外務大臣
「大変残念ですね。中途でやめるっていう理由は私には見当たらなかったので、続けてほしいという思いでしたけれども最終的には総理が総合的に判断されたと」

自民党は、きょうから石破氏の後任を決める総裁選の実施に向けて動き始めています。

逢沢一郎 総裁選管理委員長
「新しい自民党を作り上げていく。国民の目から見ても評価がいただける総裁選挙にすべく、管理委員会として全力を尽くしてまいりたい」

総裁選は、国会議員票と党員票が同数で12日以上の選挙期間が必要ないわゆる「フルスペック」型と、党大会にかわる「両院議員総会」で議員票と、地方組織の代表がそれぞれ3票投票して決めるいわゆる「簡易型」の2つの方法があります。

午後、森山幹事長ら党幹部が協議した結果、「フルスペック」型で実施する方針を固め、9月22日告示、10月4日投開票で最終調整に入りました。あすの総務会で正式決定します。

着々と準備が進むなか、「ポスト石破」と目される議員にも動きが。

茂木敏充 前幹事長
「自民党総裁選に出馬をすると、そういう思いを固めました」

いち早く名乗りをあげたのは、去年も総裁選に出馬した茂木前幹事長です。

茂木敏充 前幹事長
「これまで党や政府で様々な経験をさせていただいた。私の全てをこの国に捧げたい。その役割を私に担わせていただきたい」

林官房長官や小林元経済安全保障担当大臣も周囲に出馬への意欲を伝えているということです。

林官房長官側近
「今回も当然出る。本人が『絶対に出る』と言って聞かないんだから」

“台風の目”になると見られるのは高市前経済安全保障担当大臣と小泉農林水産大臣の2人です。高市氏は前回の総裁選で石破氏と決選投票で競い、その後も保守系の議員や党員らから根強い支持があります。

また、小泉氏はおととい…

記者
「小泉大臣を乗せた車が出てきました。石破総理との面会を終えて小泉大臣が出てきました」

菅副総裁と一緒に総理官邸を訪れ、石破氏に引導をわたす役割も担いました。

自民党 中堅議員
「総理退陣の立役者は小泉さんってことになるんじゃないですか。(出馬すれば)今回はみんな小泉さんに乗るんじゃないかな」

午後、取材に応じた小泉氏は…

小泉進次郎 農水大臣
「私はとにかく党の分裂が修復するように一致結束できる環境を作るのが大事だと。党の一致結束に対して自分が何が出来るのか、これを考えて、今後判断したいと思う。(Q.自身が立つことで党の一致結束にという考えは?)何が出来るかよく考えたいと思います」

“総裁リコール”一歩手前という深刻な状況に陥った自民党。総裁選の号砲が修復に向けたきっかけとなるのか、正念場の1か月が始まりました。