止まらないコメの価格高騰。農林水産省によりますと、3月のスーパー店頭でのコメの平均販売価格は5キロあたり4000円に迫る勢いで、前年(2024年)同月の1.9倍にまで上昇。備蓄米の放出決定後も高値が続いています。

この高騰は「食用米」、つまり「ご飯」の話ですが、高騰の影響はご飯だけに留まりません。食卓に欠かせない商品にまで影響が広がる『令和の米騒動』の実態を調べました。

「加工用米」も2倍以上に価格高騰

甕(かめ)の中で白く輝き泡立っているのは、熊本県の人吉・球磨地方の特産「球磨焼酎」の原料、もろみです。いまが仕込みの最盛期ですが…。

深野酒造 深野誠一社長「(コメの)金額が徐々に上がってきて、現在仕込んでいるもろみは2倍以上の金額になっています。コメが入ってこないので、製造も半分くらいしかできない状態」

球磨焼酎酒造組合の組合長として26の蔵元を束ねる深野誠一さんは、厳しい表情を浮かべます。

コメは、スーパーなどで販売される「主食用米」と、酒やせんべいなどの原料となる「加工用米」に分かれます。『令和の米騒動』の影響を受け、主食用米と同様に加工用米の価格も2倍以上に高騰し、入手が難しくなっているのです。

深野社長「これでも入ってきている方。蔵によっては全然入らないとか、3倍くらいの値段で買ったとか、色んな話が出ています」

国産のコメを使わなければ球磨焼酎と名乗れないため、高いからと言って簡単に海外産に切り替える訳にはいきません。

深野社長「これが続くと危機的な状況になってきますので。そうならないように僕たちも頑張りますし、皆さんも応援してもらえたらなと思います」