
2か月間の訓練と国家試験をクリアすれば、海上保安庁の潜水士に任命されます。

「研修生 総員18名、整列よし」「休ませ!」

この日、研修生たちはプールでの訓練を終え、その舞台を海へと移していました。

研修生・原田和宏さんです。18人の研修生の中では、唯一の広島出身です。
第6管区高松海上保安部 巡視船いぶき 原田和宏さん
「心折れそうになるときもあったんですけど、同期17名と一緒に支えあって、今、ここまで来れたので、あと1週間、全員でこの研修を修了できたらいいな」
「隊列を維持しろ!」「速く漕げ!」

海では、天候や潮の流れ、視界の悪さなど、環境が安定したプールとは状況が大きく異なります。

指導する潜水士
「お前らが行く海は(もっと)荒れてるんじゃないの? こんなもんじゃないよ! 波も風もあるし、声出せよ!」
レジャーでの潜水と違い、荒れた海での活動を求められる潜水士は、命綱であるロープ「索」をどんなときでも離してはいけません。

「塞止弁 開放、瀬井、残圧180」「原田、残圧180」

潜水士は2人1組の “バディ” で行動します。「相棒」という意味です。
この研修では、原田さんと瀬井さんがバディを組んでいます。2人とも潜水士を目指すことになったきっかけは、幼いころに見た映画「海猿」でした。