行方が分からなくなっていた93歳の男性に声を掛けて警察に通報した、25歳の女性が表彰されました。

広島県福山市の会社員 山本千花さん(25)は、8月19日の午前3時、仕事を終えて帰宅中、街灯も少ない車道の真ん中を歩く男性を発見しました。

山本千花さん
「声掛けようかな、どうしようかなと思ったけど、ご家族とかが探していたらいけないので、心配だったのもあるし」

山本さんは「深夜で怖かった」といいますが、勇気を出して声を掛けたところ、男性は「道が分からんのよ」と話したといいます。男性は岡山県から軽トラックで来たものの、認知症の影響で運転が出来なくなり、離れた場所に軽トラックをとめ、歩いてさまよっていて、帰るところも分からなくなっていました。

男性は携帯電話を持っていたため、山本さんが男性の許可を得て画面を開くと、そこには大量の不在着信が…。行方を捜していた男性の親族からでした。電話をかけると、岡山県警の警察官が電話に出て、110番を依頼されたため通報。

福山北警察署の署員が駆けつけるまでの十数分間、のどが渇いていた様子の男性に水を渡すと「昔は指導する立場だったけど、いまは人に助けられてばっかりじゃ」と喜んでいたといいます。男性はけがなく警察官に保護され、帰路につきました。

福山北警察署長 宮野征昭警視
「『あれ?』と思ったり『どうしようか』と思うところまではあると思うんですけど、実際にこうして声を掛けて警察に通報されるというのはすごく勇気のあることだと思います」

山本さんは、「何事も無く家族のもとに帰れてよかった」と話していました。