福直フルーツ 福岡 哲 さん
「『本当、おいしかったよ。これじゃなきゃいけないんだ』と言われるのは、自分たちより生産者さんたちが受け取る言葉で、(生産者に)すごく感謝の気持ちがありますね」

この日もさっそく仕事帰りの常連客がリンゴジュースを手に取り、購入していました。

地元の常連客(50代)
「香りがね、ほかの普通のリンゴジュースと比べたら良い。Twitterで何で尾道で青森のを売っているのか興味があって、飲んでみたら、はまったみたいな感じですね」

男性は、リンゴジュースをきっかけに最近では店で果物も買うようになったそうです。
リンゴジュースはいまや、地元客からの配達依頼のほか、県内外からの注文も来るようになりました。
先代で父親の光昭さんは、息子の取り組みを後押ししています。

福直フルーツ 先代 福岡 光昭さん
「わたしはもう戸惑っていますけどね。(お客が)中へ入って来られますので、前と違って、それがうれしいですよね。息子が帰ってきて、わたしらはついて行くだけですけど」

店だけでなく、自分が育った街も盛り上げたいと戻ってきた福岡さん。道のりは始まったばかりです。

福直フルーツ 福岡 哲さん
「実際に今、尾道の街は若い人が帰ってきて、新しい店を始めるという流れがものすごくあるんですね。もっとまわりとコミュニケーションをとって、店の情報も外に発信して、いい形に作っていけたらいいなと思っています」

尾道で青果店がおすすめする青森のリンゴジュース。にぎわいづくりへの一手になるのかもしれません。

― 品質の良い果物はやはり値が張るので、なかなか手が伸ばしづらい。そこで、福岡さんは、旬なフルーツを盛り合わせた1000円のセット売りなども始めて、在庫管理も徹底した結果、店の売り上げは1.5倍になったそうです。

― ただ、先代の父・光昭さんは、「果物の目利きはまだまだ修行が必要だ」と期待を込めて、叱咤激励もしているということです。