毎日の暮らしの中で必ず出るのがゴミですが、身近な場所にその処分場ができるとなると、複雑な気持ちになるものです。

そのゴミの中でも、事業活動で出るゴミ(産業廃棄物)を埋め立てる安定型最終処分場で、今後埋め立てられる量が、広島県は全国で最大であることがわかりました。

取材のきっかけは、2025年4月。広島市安佐南区にある安定型最終処分場の周囲の山に、ビニールなどが飛んできているのが見つかりました。

安定型最終処分場とは、山の斜面などに、地下水汚染を防ぐための遮水シートなどを設置せず、そのまま産業廃棄物を埋め立てる施設です。

埋め立てられるのは、有害物や有機物などが付着していない廃プラスチック類やがれき類など、性質が安定しているゴミに限定されます。

このとき、上安最終処分場では、飛散防止措置が義務づけられているゴミが、土で覆われることもなく、広い範囲で野積みされたままになっていました。

上安産廃から安全安心を守る市民の会 坂本裕事務局長
「もう無茶苦茶だと思いました。これじゃあ何が起こるかわからん、今後。今でさえこんな状況だから。これをまだまだ積み上げると言っているわけだから。そんなもん積み上げられたら、もうとんでもない」

広島市は、処分場を運営する事業者に対し、口頭や文書で繰り返し指導しました。これを受け、事業者は1か月ほどゴミの搬入や埋め立てを中止。飛散防止対策などを実施した上で、再開しました。

こちらは、処分場から飛散したとみられるビニール袋で、隣接する山で見つかりました。