辺野古沖の軟弱地盤の工事をめぐり、国は県にかわって工事を承認できる“代執行”に向け高裁に提訴し、今月30日には弁論が開かれます。国が起こした新たな法廷闘争がどのような意味をもつのか、有識者の話から『代執行訴訟』について考えます。

「最後の最後の手段」とされる国の代執行 専門家「発動すべきでない」 

玉城知事
「承認するという立場には立てないということで応訴することにした」

先月4日の最高裁判決で訴えが退けられて以降、矢継ぎ早に国に承認を迫られてきた沖縄県。今月11日、玉城知事は工事を「承認しない」という立場を改めて示しました。

普天間基地の移設先、名護市辺野古。
国が想定している総工費およそ9300億円のうち、すでに半分に近いおよそ4312億円が投入されていますが、ことし3月末までに埋め立てられたのは15%。

『不承認』を貫く沖縄県を相手に今、国が進めようとしているのが『代執行』による大浦湾側の埋立て工事着手です。

国による地方への関与として“最終手段”とされる代執行は、国が地方公共団体の業務を強制的に行えるものです。

元総務省官僚 片木淳弁護士
「これは本当に最後の最後の手段。軽々に本当は発動すべきものではない」

総務省の元官僚で地方自治に詳しい片木淳弁護士は、極めて慎重な判断が必要だと指摘します。