今回初めて、「SNSの普及が日本語にどう影響するか」が調査されました。
言葉というのは常に変化しています。

「にやける」は本来「薄笑いを浮かべる」という意味ではない!?

日比麻音子キャスター:
文化庁が26日に発表した「国語に関する世論調査」には、日本人の国語に対する意識や理解の現状を調査し、国語の関心を高める目的があります。

調査項目には「言葉の使い方」も含まれていますが、今回新たに加わったのが、「SNSの影響が言葉にどう出ているのか」についてです。また、「外来語の表記」、例えば、「vocal」の表記が「ボーカル」なのか「ヴォーカル」なのか、などが調査されています。

ではこちらの言葉について、皆さんはどのように使っていますか。

▼潮時(しおどき)
▼にやける


まずは「潮時」について、街の皆さんは本来の意味の通り、使っているのでしょうか。

社会人6年目
「カップルがうまくいかなくなって、『潮時だね』みたいな」

高校2年生
「ガンダムの敵キャラが負けるときに、『もう潮時か』と言っていた」

実は「潮時」は、本来「ちょうどいい時期」という意味が正しく、「ものごとの終わり」という意味での使用は誤りです。

続いて「にやける」はどうでしょうか。

高校3年生
「(Q.どういう意味だと思う?)歯見せないで笑う」
「内心うれしいけど、隠しているときとか」

実はこの意味での使用は間違いで、「にやける」というのは、本来は「なよなよしている」という意味だそうです。

文化庁の「国語に関する世論調査」によれば、「潮時」を「ものごとの終わり」という意味で使っている人の割合が46.7%で、本来の意味である「ちょうどいい時期」という意味で使っている人の割合(41.9%)を上回っています。

引退会見などで「『今が潮時だな』と思いました」のような言葉が使われるため、「ものごとの終わり」という印象を受けがちですが、実は「ちょうどいい時期」が正しい意味です。

続いて、「にやける」というのは、漢字では「若気る」と表記し、「なよなよとしている」という意味で使うのが本来の使い方となります。

一方で、世論調査によると、81.9%の人が「薄笑いを浮かべている」という意味で使用していることがわかりました。(本来の意味「なよなよとしている」で使っている人は10.5%)

「ニヤリと笑う」という言葉と「にやける」が混同されてきたという予測もできるかなと思います。

山内あゆキャスター:
ただ、もはや「薄笑いを浮かべている」という意味の方が、本来の意味に変わってきそうな気がしますね。

日比キャスター:
実際に辞書の中身も変わってきていて、現行の辞書で「にやける」を調べると、「ニヤリと笑う」という意味も追記されていました。このように辞書の表記もいろいろと変わってきています。