▼漆職人・諸見由則さん
「今後技術職を伸ばすのは難しい。色んなところでなくなっていっている。全国の “漆器屋さん” でも漆器を作らないところがほとんど。それじゃあ伸びない。ちょうどいま正殿の復元を行っているのでチャンスとして生かしていった方がいい。今後のことを考えたら」
沖縄の漆芸文化のこれからのために技術をつないでいく。首里城が再び朱色に輝く日に向けて、諸見さんは前を向きます。

「前田さんのできなかったものを私たちでやっていく。約束だから。先生が亡くなる前の約束です。今回の首里城は(前田先生も)満足すると思う。それぐらい出来はいいですよ」
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首里城の扁額は今回、平成の復元とは色や装飾などが大きく様変わりすることで注目が集まっています。諸見さんは、「前田先生が残してくれた図案や彩色などを基に新たな知見を取り入れて復元する。一緒に来年の完成を見届けることは叶わなかったが、若い職人たちとともに良いものをつくりたい」と話していました。