
▼諸見由則さん
「(人づてに)首里城燃えてるよと。僕が来た時はまだ形はあった。それが1時間くらいして中の扁額が落ちて、南殿、北殿に移った」
「扁額」の復元作業は2023年から始まりました。作業は最終工程に入っていて、新たな扁額は来年3月の完成を目指しています。
「1日でも早く復元したいとずっと願っていた。やっと完成の一歩手前まで来たのかなと喜んでいる。今後はどんどん若い人たちがやっていけるように道筋を作れたら」
漆芸職人たちの道筋を作りたい。そこには亡き恩師への思いがありました。
「これが最後に先生が塗り替えた久慶門。一番最初に沖縄の漆芸を引っ張ってきた先生なので」

漆職人の前田孝允さん。平成の首里城復元の際、正殿の漆塗りや玉座の製作などを担当しました。
▼前田孝允さん(故人・2019年の取材)
「首里城は(沖縄戦で)全くなくなったから、本当にイチから全部やらないといけなかった。全て。デザインはじめ、全部自分で再現しないといけない」
沖縄戦で焼けた首里城や内部の文化財。手がかりとなる参考資料がほとんど残されていない中、前田さんは3年に及ぶ研究を重ね首里城の復元に尽力しました。