琉球王国時代から、スパイスや薬草として利用されてきたピィパーズだが、それだけではありません!

宇根良則さん
「このブロックの壁面、これを緑化するために植えてあります」
壁に生えるピィパーズ 沖縄都市モノレール・経塚駅前では、およそ50本のピィパーズが育っています。 壁を這うように空に向かって伸びていく枝葉。つる性の植物としての特性をいかし、街の緑化活動に取り入れられています。

宇根良則さん
「ツタに負けないくらい壁面を飾る植物としてね、沖縄ならでは。いい環境がつくれるんじゃないかと思います」
ピィパーズの普及に取り組む、沖縄県ピィパーズ推進協議会、通称「沖ピ協」のメンバーが中心となり、月に1度、草刈りなどを行い、枯れることがないよう、管理を行っています。
地域の景観に配慮し、都市緑化の一役を担う活動は、SDGsの目標につながっています。

そして那覇市役所の屋上、こんな高いところにも!
風が強いため、何度か立ち枯れることもあったといいますが、沖ピ協の定期的な手入れで、力強く育っています。
宇根良則さん
「コンクリート面の状態だと温熱・輻射熱がたまりますよね。これを緑で被うことによって、たまる熱源が節約される。例えばクーラーが節電できるとかいう効果があると思います」
経塚のピィパーズ 無機質なコンクリートに、彩を添えるピィパーズ。人と人とのつながりも育んでいます。

宇根良則さん
「コンクリートを生垣風に緑で囲うことができて、非常にやさしい環境が醸し出されていると思います。公道の場合、雑草とまだ間違われるほどですので、今後沖縄の皆さんなら誰でも知っている、というようなことを広げていきたい」
沖縄に伝わる魅惑のスパイス、ピィパーズ。まちの魅力をひき立たせる、1つのスパイスとなる日も近いかもしれません。
【記者MEMO】
食用としてのピィパーズですが、粉末をコーヒーにふりかけたり、ジューシー(沖縄の混ぜご飯)やヒラヤーチー(チジミに似た沖縄の軽食)にはネギの代わりにピィパーズの葉を刻んで入れたりするそうです。
こうした食べ方や育て方について詳しく知りたいという方は「沖ピ協(沖縄県ピィパーズ生産推進協議会)」までお問い合わせください。