国内の米軍専用施設の約7割が集中する沖縄では、これまでにも米軍関係者による事件事故が繰り返されてきた。

1995年には未成年の少女への性的暴行事件が発生し、基地の整理縮小を求めるうねりが高まった。

▽1995年の県民大会
「私たちに静かな沖縄を返してください。軍隊のない悲劇のない平和な島を返してください」

2008年に発生した米海兵隊の男による中学生への性的暴行事件では、駐日米国大使が在日米軍の司令官とともに直接、知事に謝罪。軍は軍人らの外出禁止などの措置を取り、被害者への手紙を手渡すこともあった。

しかし今回は米側の謝罪はなく、綱紀粛正を図る動きも伝わってこない。

今後の情報共有は「可能な範囲で」曖昧さ残す

▽琉球大学法科大学院 矢野恵美教授
「軍の中には軍の法律があり、それと日本の法律は違う。日本に限らず、違う国に赴任した時には結局基地から出るわけですから、出る以上はその国の法律、少なくとも性犯罪や交通事犯について、(米軍の要員は)規定を研修をしてほしい」


政府は先日、新たな連絡体制の運用を発表したが、プライバシー保護を理由に自治体へ伝える情報は「事案ごとに可能な範囲の内容で行う」としていて、その実効性は不透明なままだ。

事件の被害者の心のケア、そしてプライバシーの保護が何よりも優先されるのは当然のことだが、その上で、再び同じような事件を起こさないために関係機関がどう情報共有すべきなのかが問われている。(取材 平良優果・上江洲まりの)