
宮城政三郎さんは、与那国島から県立第一中学校(現首里高校)に入学した。1944年、両親のいた台湾に疎開したが、翌年には日本軍に動員され16歳で戦場に駆り出された。
▽16歳で戦場へ 宮城政三郎さん(2018年・89歳当時のインタビュー)
「こんな子どもみたいな生徒をね、戦争に駆り出して戦没させるっていうのは、これは絶対にやってはいけないですよ」
会場にはそんな宮城さんに会うのを楽しみにしていた高校生たちがいた。首里高校の合唱部の生徒たちだ。
歌を通して「戦争を知らない」ことに気づいた生徒たち
平和祈念祭の前日、テスト期間中の生徒たちは勉強の合間をぬって練習に励んでいた。
♪「10代の学徒らの沖縄戦~」「伝えてよ~」
歌うのは宮城さんが2年前に作詞・作曲した「ああ、いつまでも伝えてよ」。
3番まである歌詞には、自らの記憶を語り継ぐ覚悟と、平和を望んだ学友の無念を伝え続けてほしいとの思いが込められている。生徒たちはこの日まで何度もディスカッションを重ねてきた。
▽ディスカッションの様子
「10代の沖縄戦~という所、どう歌いたい?」
「これからどう生かすかとか、未来に向けての曲だと思うから全体的に明るくではないけど訴える感じで…」
▽首里高校合唱部部長 仲里伊織さん(2年)
「戦争の事だから自分たちは経験はしていないけど、宮城政三郎さんのこの歌を通して、この歌詞の1つひとつの意味を考えて話し合ったと思うから、明日は歌を通して来てくれる人に思いが伝わるように、歌詞をかみしめて響きも意識して、どう歌いたいか、1人ひとりしっかり自分の考えを持って、歌えるようにしましょう」

▽首里高校合唱部 大城英里名さん(1年)
「学徒の21校の学校の方々が、学徒隊として戦ったことを深く知らなくて、この曲を通して初めて知ったので、本当に私もこの戦争について知識のない若者の1人なんだって気づいたし、それを私たちが歌うことで広めていきたい」








