沖縄本島から東に360キロの場所に位置する南大東村。実は気象の島という一面を持っています。冬にしかみることのできない、幻の霧の撮影に挑戦してきました。台風観測最前線の島、南大東。この島はちょっとディープで面白い、気象トリビアであふれています。
風向きに敏感な島民 その理由は
比嘉リポーター
「那覇から飛行機で45分。南大東にやってきました。今回は島のお天気、気象を切り口に、南大東の魅力を深堀したいと思います」
旅のテーマが「気象」ということで、まずは太陽神・天照大御神をまつる大東神社を参拝します。

1900年に八丈島の人々によって開拓がはじまった南大東。断崖絶壁に囲まれているため、国内でもっとも上陸が難しい島といわれています。
島には港が3か所あり、その日の風向きによって、どの港に着くかが決まります。ちなみにこの日は西港になります。風向きには敏感な地元住民に、この日はどの港が使われるか尋ねてみると…
Q今日はどの港からの上陸になるか分かりますか?
住民男性
「たぶん西港だと思うけど」
比嘉リポーター
「正解です。なんで西港って判断したんですか?」
住民男性
「南風。南風じゃない?きょう」
住民女性
「きょうの風はどことか、みんなわかります。すごいですよ、こっちの人。けっこう気象に強いです」

南大東島での気象観測は、1917年に製糖会社が気象観測所を私設したのがはじまりで、その後、観測地点としての重要性から1942年に国営化されました。それが現在の南大東島地方気象台です。
南大東島地方気象台 国吉真昌台長
「全国ではなかなかないことが、こちらにはありますので、それを紹介したいと思います」
国吉台長が案内してくれたのは、国内16か所にしかない気象観測装置です。