家庭で使われていない眠っている椅子を引き取って再利用へー 8月から大分県別府市の企業が始めた再生プロジェクト、その背景を取材しました。

別府市の建築設計事務所「DABURA.m」。ビルの一角にはそれぞれ形や種類が異なる47脚の椅子が保管されています。

(DABURA.m・三上葵さん)「この建物で宿泊施設をオープンするが、地域の人から思い入れがあって手放せない椅子があるという話を聞いて、新しい場所でまた使えるようにできたらいいなと」

こちらの設計事務所では9月、交流拠点としての機能を兼ね備えた宿泊施設をオープン予定。そこで客室やラウンジで使える椅子を探していたところ、家庭で眠っているものがあることに目を付け、SNSなどで募集を始めました。

椅子には同じ数だけ思い出が刻まれている

善意は別府市だけでなく大分市や由布市のあわせて20人を超える人から寄せられました。椅子にはそれぞれ同じ数だけ思い出も残されています。

例えば、祖父が来客用として使っていたソファは、提供者が結婚の挨拶のため実家を訪れた際にも座った思い入れのある椅子だといいます。

(別府市千代町自治会・木下勇会長)「ここにみんなが休憩するために置いていた」

設計事務所がある自治会の木下勇会長。椅子を提供した1人です。木下さんは自治会の集会所に置いてあった丸椅子2脚を提供。そもそもは以前、地区に住んでいた老夫婦が足腰が弱っている中、引っ越し直前まで愛用し、自治会に寄贈してくれたものです。