大分県内の特殊詐欺の被害が去年の2倍近いペースで発生しています。中でも目立つのが「老人ホームへの入居」名目の架空請求詐欺です。犯行の手口や被害防止のポイントをお伝えします。

(県警察本部安全・安心まちづくり推進室 樋口哲平室長補佐)「高額な被害も発生していて深刻な状況です」

「特殊詐欺被害」は去年の2倍の2億2400万円(1~7月)

県警によりますと、県内の特殊詐欺の被害額は、7月末までで2億2400万円。去年の同じ時期に比べおよそ2倍、1億円余り上回っています。また、発生件数も123件で増加傾向です。去年を大幅に上回るペースで発生する特殊詐欺被害。中でも目立つのが…「老人ホームへの入居」をかたり、料金を架空に請求する詐欺です。

手口は…
最初にハウスメーカーなど、実在する会社の社員を名乗る人物から自宅の固定電話に電話がかかります。入居話を断ると今度は「権利を他人に譲ってよいか」と持ちかけ、被害者が「構わない」と返答します。すると今度は弁護士などをかたる人物からの電話で「権利を他人に渡すのは犯罪ですよ。家族や警察に相談しても犯罪になるから逮捕されますよ」と被害者に非があるように言葉巧みに話をすすめます。そして… 最終的に「お金を支払えば免れます」と告げて、被害者がコンビニで購入した電子マネーの利用権をだまし取ったり、指定する口座に現金を振り込ませたりするものです。

「穏やかな口調」にだまされないで

詐欺グループの口調は極めて穏やかで、高圧的ではないことから思わず信用してしまい、被害にあいやすい背景があると言われています。

(樋口哲平室長補佐)「犯罪に加担しているという気持ちにさせて、それを口外したら更に犯罪になるということで、被害者が他人に相談しにくい状況を犯人側が意図的に作っている

こうした手口による事件は今年に入って7月までに9件発生。被害額は7000万円を超えます。

(県警察本部安全・安心まちづくり推進室 樋口哲平室長補佐)「まずは手口を知ることも1つの対策として有効で、県警のホームぺージや公式SNSなどで特殊詐欺の手口を知ってもらえたらと思う」

中には宅配便で現金を要求された被害者もいます。そもそも宅配便での送金は法律で禁止されているので、被害に遭わないためには落ち着いて冷静に対処することが重要です。