ザッくんが生きた意味 “頑張ったね”

2023年、新しい年が始まりました。

恵子さんが冷蔵庫から取り出したのは、白いトレイに載った牛肉──
命を全うし、大石家に戻ってきたザッくんです。

恵子さん:
「嬉しかったですね。やっぱりちゃんとお肉取れる場所があったんだと思ってですね、それだけ…。
ダメになるかもしれないっていうのを聞いてたんでね。もう肉は食べられないかもって言われてたので、頑張ったねえと思って」

家族で囲むこの日の昼食は──焼肉です。

啓介さん:「いただきます」
恵子さんと煌太郎くん:「いただきます」

恵子さん:「どう?」
煌太郎くん:「うまい」
啓介さんと恵子さん:「ハハハハ(笑)うん…うまい」

啓介さん:
「(一般的には)30か月近く飼ってお肉にするんですけど、この子の場合はその半分くらいでですね、お肉になったので…。

うーん。まあ、全国に名だたるブランド牛がありますけど、味は落ちるかもしれないですけど、こうして私たちが食べることによってですね…牛が生きた意味があるっていうかですね。うん」

料理人を夢見ていた煌太郎くんの気持ちに変化がありました。

煌太郎くん:
「牛飼いに、牛飼い(になりたい)です。ちょっときついけど…やりがいがあるっていう感じ」

啓介さん:
「やりがいを感じるって?おーそうなんですか。何か伝わっとんのかな?…魅力的な仕事ですからね」

これからも牛と生きる。覚悟と矜持を持ちながら…。