退職代行サービスの運営会社が22日、警視庁の家宅捜索を受けました。違法に弁護士へ仕事をあっせんした疑いがもたれています。利用者が急増しているという「退職代行」。利用者が罪に問われることもあるのでしょうか?

捜索を受けたのは、退職を希望する人に代わって会社に意思を伝える退職代行サービス「モームリ」の運営会社です。「退職代行」の仕事を違法に弁護士にあっせんし、紹介料を受け取った疑いなどがもたれているということです。

弁護士法では、弁護士資格を持たない人が報酬目的で法律事務の仕事をあっせんすることを禁止しています。

累計利用者数は4万人を超えるとされる「モームリ」。

アディーレ法律事務所大宮支店の近藤姫美弁護士(埼玉弁護士会所属)によると、退職代行の民間業者は増えていて、なかには弁護士が所属していないと思われる業者もあるといいます。利用した人が罪に問われることはあるのでしょうか?

近藤姫美弁護士:
「利用した人は、罪に問われません。弁護士法72条は、あくまで有料で法律事務をあっせんした者を名宛人にしています。業者を利用した人は法律事務を有料で紹介したわけではありませんので、少なくとも弁護士法72条に違反するということはありません」

退職代行を利用するときの注意点は?

近藤姫美弁護士:
「民間の退職代行業者がやっていい範囲というのは、法律事務にあたらない部分のみです。依頼者本人の意思を汲んで、相手方会社と話を進めていくということはできません」

「民間の退職代行業者ができることには限りがありますので、かえって退職代行業者を入れることにより相手方会社ともめてしまい、すんなりとは退職できない可能性もあります」

「安易に民間の退職代行業者に依頼することには危険も伴いますので、退職代行は最初から弁護士にご依頼するのがもっとも安全で間違いがありません」